「住所」と「所在地」の違いってなに?

住所

知っているようで、知らない言葉。

今回は、申込書や契約書でよく見かける「住所」と「所在地」についてのお話しになります。
皆さん、意識して使い分けているでしょうか?

本題に入る前に例題を3つ提示します。どの文章が正しいかでしょうか?

(例1)
あづま総合事務所の住所を教えて頂けませんか?

(例2)
事務所所在地は、東京都墨田区立花4-28-8 イースタイル立花301号室です。

(例3)
自宅の所在地はどこになりますか?

・・・

いかがでしょうか?皆さん一度は、使ったことがある文章ではありませんか?
しかし、上記例題は、すべて誤りです!

ということで、「住所」と「所在地」の言葉の定義を見ていきましょう。

「住所」
人の住んでいる場所を指す言葉です。つまり御自宅の存在する場所です。

「所在地」
人ではないモノ等の在処、つまり不動産の存在する場所を指す言葉です。
事務所や公園、お店が存在する場所も「所在地」になります。

つまり、人が住んでいるところには「住所」を、会社やお店の在処には「所在地」を使用するのが正しい使い方です。

また、「所在地」とは、不動産の存在する場所を表すため、部屋番号や建物名を明記するのも不適切になります。

では、先ほどの例題を修正してみましょう!

(例1改)
あづま総合事務所の所在地を教えて頂けませんか?

(例2改)
事務所所在地は、東京都墨田区立花4-28-8です。

(例3改)
自宅の住所はどこになりますか?

これが、正しい表現になります。

登記簿謄本を確認するとわかると思いますが、建物名や部屋番号の記載がないはずです。何故なのか疑問に思いませんでしたか?
前述したとおりですが、会社は在処を表す「所在地」と言う言葉を使用しますので、不動産の存在する場所のみの記載になります。
つまり、部屋番号や建物名の記載がなくて当たり前なのです。

ここまでお読みの皆さんならお気づきでしょうが、事務所の所在地が「東京都墨田区立花4-28-8」であれば、荷物が届かないのですよね。


では、「東京都墨田区立花4-28-8 イースタイル立花301号室」が住所でもなければ、所在地でもないとすれば、どの言葉が最適なのでしょうか?

それは、「住居表示」です!

「住所」と「所在地」の他に「住居表示」と、なんだか、ややこしくて小難しい話になってしまいましたね。

あまり長々と続けると、テレビのCMのように飽きられますので、今日はこの辺で筆を置きたいと思います。

今後注意して、「不動産登記簿」や「住民票」、「登記簿謄本」、「申込書」、「契約書」等を確認することお勧めいたします。
そして、「会社住所」と記載があった際には、「法人なのに住所があるわけないでしょう!!」と反論してみましょう。

間違いなく、「はぁい!!???」との反応とともに、気まずい空気が流れますね(笑)

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吾妻 佑紀

代表 行政書士・社会保険労務士あづま総合事務所
東京都墨田区在住。行政書士と社会保険労務士の資格を活かし、総務や労務の代行を行いながら経営者の夢を実現するための支援をしていくことが使命。日本酒大好き。座右の銘は「天の時は地の利に如かず、地の利は人の和に如かず」